僕が心がざわついたときによく読み返している本がある。『禅、シンプル生活のすすめ』(知的いきかた文庫)という本である。最近なんだか心がざわざわすることが多かったので、久しぶりに読み返してみた。
何かを「得る」のではなく「手放す」
私たちは物事がうまくいかない時、「何かが足りない」と思ってしまいがちです。でも、今の状況を変えたいなら、何かを「得る」よりもまず「手放す」ことが先。禅的生活の基本は、ここにあります。
『禅、シンプル生活のすすめ』/枡野俊明より
確かにもやもやする気持ちは何かごほうびを自分に与えることですっきりさせることが多かった。でも、いつもそれで心が上向きになるのは一瞬で、すぐにまたもやもやがやってきた。そんな繰り返しでした。
「手放す」のはモノだけじゃない
「手放す」と聞いてまず思い浮かんだのは、「ものを減らす」ということ。だけど、モノを減らせばそれでこころが軽くなるかというと、僕の経験上そんなことはないなというのが正直なところです。
そんな時、この本を読んで気付きました。「手放す」のはモノだけじゃないということに。
実は、僕は「執着」が手放せていませんでした。
「もっとこうしたい」「誰かに認められたい」「幸せに生きていたい」
どれもその感情自体は全く悪いものではないと思います。ですが、これらの願いに執着してしまうことは逆に自分を苦しめてしまっていることもあるんじゃないかと気付いたんです。
「もっとこうしたい」が
「もっとこうしなきゃいけない」
「誰かに認められたい」が
「もっと認められないといけない」
「幸せに生きていたい」が
「幸せにならなきゃいけない」
こんな状態になっていることが結構あるなと思いました。
執着を手放すことで少し考えかたを変えることができました。
「もっとこうしたい。やってみよう。できなければ他を考えよう」
こんな風にやりたいと思ったことはまずやってみて、うまくいかなかったらまあその他の方法を考えようと考える方が気持ちがだいぶ楽にいられます。きっと生き方って本当にたくさんあります。今の自分の生き方だけではないと思います。
