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『となりの脳世界/村田沙耶香』を読んで。

村田沙耶香さんのエッセイ『となりの脳世界』を読んだ。村田さんも本の中で言っていたが、だれかが書いたエッセイを読むと、その人の脳世界を覗き見るような感覚になって楽しい。ちなみに村田さんの作品はこれがはじめて。有名な「コンビニ人間」も読んだことのない僕が、村田さんのエッセイを読んで感じたことをつらつら綴っていきます。

あらすじ

デビューから現在まで各紙誌に書いてきたエッセイを一冊にまとめた決定版。小さな頃の思い出から、影響を受けた本や音楽、旅先での出来事、今まで気づかなかった勘違いに、コンビニバイトのことなど。

あるあるを言語化するのって案外難しい

まずこの本に登場する「あるある」と共感できるエッセイが、「言われてみればそうなんだよなあ。」と感じることばかりだった。例えば、飲み会の予約を知人がしてくれているときの入店の際になんと言うのか迷うといった話。「〇〇で予約した村田です。」と言いたくなるそうなのだが、それではなんだか店員さんが困るんじゃないか、とか。そこで、村田さんが編み出したのは「〇〇で予約した…」と「…」をつけて間を作り、店員さんが案内に進むのを待つという方法。確かに僕もこれやってるわ!と思わずうなずいてしまっていたかもしれない。こういう日常にひそむ些細なあるあるを言語化するのって自分にもできるようでいてなかなか難しいよなあと感じた。

考えすぎることって結構おもしろいかも。

村田さんは「考えすぎる人」だなあ、と感じた。考えすぎるというか、ちょっと気になったことに立ち止まり、とことん思考を様々な方面に飛躍させる人。そんなイメージを抱いた。そしてそれが些細なあるあるをここまで面白く言語化するには、必要なのだろう。終盤に収録されている「東京空想さんぽシリーズ」が結構ぶっ飛んでて、自由で面白かった。

みんなそれぞれに頭の中はまったくちがう。

村田さんのエッセイを読んで、こんなにも自分と違う考え方なんだ、なんて自由な発想を持っている人なんだ、こんな考え方もあるんだ、と他人の脳世界を覗き見る体験はとても楽しかった。なんだかほかのエッセイももっと読みたくなったので、しばらく色々な人のエッセイを読み漁ろうかと思う。最後に、この本で一番響いた言葉を紹介します。

この本で一番に響いた言葉。

私達の人生は彼らが生きる映画や本の世界のようにドラマチックではない。それでも、誰もが戦わなくてはいけない。毎日、小さな戦いを繰り返すことで、明日という時間を手に入れていく。

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